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法人化で本当に節税できる？個人事業主が知っておくべき税金の違い
「売上が増えてきたし、そろそろ法人化した方がいいのかな…？」
「法人化すると節税になるって聞いたけど、本当なの？」
そんな疑問を持つ個人事業主の方は多いはず。
この記事では、個人事業主と法人の税金の違いをわかりやすく解説しながら、法人化が本当に節税につながるのかを具体的に見ていきます。
法人化とは？個人事業と法人の基本的な違い
法人化とは、これまで「個人の名前」で行っていた事業を、法人（会社）という別の人格で行うようにすることです。よくある形態としては「株式会社」や「合同会社（LLC）」があります。
では、税金面でどう違うのか見ていきましょう。
個人事業主の税金の仕組み
個人事業主は、事業所得に応じて「所得税（累進課税）」がかかります。
所得金額 所得税率
〜195万円 5%
〜330万円 10%
〜695万円 20%
〜900万円 23%
〜1,800万円 33%
〜4,000万円 40%
4,000万円超 45%
所得が増えるほど、税率がどんどん上がるのが特徴です。
法人の税金の仕組み
法人は「法人税」「法人住民税」「事業税」などを支払います。法人税率は一定で、概ね実効税率は23〜30%前後です（所得や地域、規模によって若干変動あり）。
法人化すると節税になる理由
では、どうして法人化が「節税になる」と言われているのでしょうか？主な理由を見ていきましょう。
1. 所得分散ができる（役員報酬・家族給与）
法人では、役員報酬を自分や家族に支払うことができ、その分を会社の経費にできます。結果的に、所得を分散して、全体の税率を抑えることが可能です。
2. 範囲の広い経費計上が可能
法人は、個人事業主よりも広い範囲で経費を認められやすいです。たとえば：
社宅を使う（個人が法人に家賃を支払う形）
退職金の積立
生命保険料の損金算入
など、将来に備える支出まで経費化できるのは大きなメリットです。
3. 税率が一定
法人の税率は概ね一定なので、利益が大きくなるほど節税効果が大きいです。個人のように最大45%まで課税されることはありません。
法人化のデメリットと注意点
節税になる一方で、法人化にはコストや義務も増えることを忘れてはいけません。
1. 設立・維持コストがかかる
法人を作る際には登録免許税などで約20万円前後の初期費用がかかります。
さらに、税理士や社労士など、専門家のサポート費用も必要になる場合があります。
2. 社会保険の強制加入
法人にすると、社長一人だけの会社でも社会保険（厚生年金・健康保険）に加入義務が発生します。
保険料の半分は会社が負担するため、実質的なコスト増になることも。
3. 会計や申告が複雑になる
法人の会計は複雑で、決算や申告書も専門的な知識が必要です。
税理士に頼ることが前提になるため、顧問契約などの継続的なコストも考慮すべきです。
実際、どれくらいの収入から法人化がお得？
よく言われるのが、
「利益が年間500万円〜700万円以上なら、法人化を検討すべき」
というライン。
ただしこれはあくまで目安であり、以下のような要素で最適な判断は変わります：
家族に給与を出せるかどうか
生活費がどの程度必要か
社会保険の影響
事業の将来性
結論：法人化は「節税になることが多い」が、ケースバイケース
法人化はたしかに節税につながることが多いですが、すべての人にとって正解とは限りません。
むしろ、「法人にしたけど、思ったよりコストがかかって赤字…」というケースもあります。
よくある質問（FAQ）
Q. フリーランスでも法人化できますか？
→ もちろん可能です。実際、フリーランスで年商が大きくなってきた方は、法人化して役員報酬などで税負担を調整する方も多いです。
Q. 合同会社と株式会社、どちらが節税に有利？
→ 税金のルールに大きな差はありません。コスト・イメージ・将来の資金調達予定などで選ぶのが一般的です。
Q. 法人化したら青色申告はどうなる？
→ 法人でも青色申告制度があります。申請すれば、赤字の繰越など税制上のメリットを受けることができます。
まとめ
項目 個人事業主 法人
税率 累進課税（最大45%） 一定（23〜30%前後）
節税余地 限定的 高い（報酬・経費・退職金など）
社会保険 任意 強制加入
設立コスト なし 約20万円〜
申告の複雑さ 比較的簡単 専門家の関与が必要
法人化は、大きな節税につながる可能性がありますが、同時にコストと手間も増えます。
「法人化すべきかどうか」で悩んでいる方は、数字をもとに比較検討し、必要であれば税理士に相談するのがおすすめです。
税理士 春日井/春日井市の会社設立は税理士の磯谷会計事務所
> 2025年04月